鹿屋・串良町に佇む静かな月の神社

鹿児島県鹿屋市串良町にある「月読神社(つくよみじんじゃ)」は、街の喧騒から少し離れた場所にひっそりと佇む、歴史と神秘が感じられる神社です。
この地域に住む人々の暮らしと共に歩んできた小さな社には、月を司る神「月読命(つくよみのみこと)」が祀られています。
訪れてみると、境内は静けさに包まれ、どこか時が止まったような空気感。石段や木々の葉擦れ、苔むした石灯籠など、古き良き日本の神社らしい趣きがしっかりと残されています。
月読命とは?意外と知らない「月の神」の正体


御祭神である月読命(つくよみのみこと)は、日本神話に登場する月の神様で、天照大御神(太陽の神)や須佐之男命(海と嵐の神)の兄弟神とされています。
ゲームや漫画などの影響で「女性の神様」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、古事記や日本書紀の記述では男性神とされており、月読神社でもその点が明記されていました。
実際に現地の案内を読むことで「月読命は男神だったのか」と気づかされる方も多いようです。
月読命は、夜を照らす月のように静かに物事を見守る存在とされ、安産・子育て・五穀豊穣など幅広いご利益があると信じられています。
鹿児島の月読神社は2社存在
実は鹿児島県内には、もう一つの月読神社が存在しています。
それが、桜島の月読神社。桜島フェリーターミナルが近くこちらのほうが有名ですが、どちらも静かな空間に包まれた趣ある神社で、2社ともに月読命を主祭神としつつ、それぞれ違った雰囲気を持っています。
桜島の神社が火山の麓にある力強い印象なのに対し、鹿屋の月読神社は「穏やかさ」や「静寂さ」が特徴的。どちらも甲乙つけがたい魅力があり、月読命にゆかりのある社を巡る「鹿児島・月神社めぐり」も面白いかもしれません。
地域に根ざした信仰と歴史


鹿屋市串良町は、かつて城下町としても栄えた歴史を持つ地域。月読神社もその中で地域の守り神として大切に祀られてきた神社のひとつです。
観光地というより「生活の中にある神社」として根付いているのが印象的でした。
祭事などの詳細はあまり多く語られていませんが、月読神社のように素朴で落ち着いた雰囲気の社は、旅の途中で一息つきたいときや、自分と向き合いたいときに訪れる場所としておすすめです。
まとめ|静けさの中に神性を感じる神社


鹿屋市串良町の月読神社は、派手な装飾や賑わいとは無縁ながらも、確かな神聖さと歴史の重みを感じさせてくれる場所でした。
普段はあまり意識しない「月の神」に触れ、その穏やかな力に守られるような感覚が得られるかもしれません。
桜島の月読神社と併せて、“月神信仰”を感じる鹿児島の神社巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか?