神川七滝伝説とは
古来、神ノ川河口付近にはこの土地を治める雄城(高城)と雌城(現在の城)があり、その周りには7つの土地「ぜんづき・瀬戸・上・下・西・栫の坂・御崎」があった。雌城の下に諏訪神社大明神があり、雄城の主 藤原義光はとりわけこの神社の雌城を愛し、通っていたという。それをよく思っていなかった7つの滝に住む大鰻は洪水をおこし、河口一帯を流してしまった。
これをかわいそうに思った7つの土地の主は七福神となり7つの滝の大鰻を鎮めるため鎮座したという。それ以来、大きな洪水もなく河口付近は農業・漁業など産業が栄え、滝付近から流れ出るわき水を飲むと健康増進・長寿の御利益があると伝えられている。
看板からの引用ですが、肝属郡錦江町に伝わる「神川七滝伝説」は、このような伝説があるそうです。地域の自然信仰や縁起物文化と深く結びついた観光スポットですね。七つの滝にはそれぞれ七福神が祀られており、滝の近くには可愛らしい石像が設置されています。滝巡りをしながら七福神を参拝できることから、縁起を担ぎたい方や写真好きな観光客にも人気です。
すべての滝は車で10分圏内にあり、それぞれの滝までのアクセスも比較的容易。大滝を目指しつつ、スタンプラリー感覚で全ての滝を巡るのも楽しい回り方です。
各滝の紹介
松尾の滝(布袋尊の滝)
桂巻の滝と近く、どちらに行くにも離合困難な細い道(約100〜200m)を通る必要があります。ただし駐車場は綺麗に整備されており、安心して停められます。昔から地元の人々に親しまれてきた滝で、布袋尊の穏やかな微笑みが訪れる人を迎えてくれます。
桂巻の滝(寿老人の滝)
松尾の滝と同様のルートで行ける滝。規模は小さいものの高さがあり、周囲の木々と相まって静かで落ち着いた雰囲気が漂います。長寿の神・寿老人が祀られています。
小便の滝(大黒天の滝)
遠くから眺めることになる滝で、他の滝に比べると距離感があります。名前の由来は諸説ありますが、落水の形や細さに由来すると言われています。商売繁盛の神・大黒天が守護する滝です。
長次郎の滝(福禄寿の滝)
大黒天の滝から徒歩圏内にあり、遊歩道が整備されているため安全に近づけます。福禄寿は幸福・財産・長寿の神として知られ、この滝もまた訪れる人に福を呼び込むと伝えられています。
雨後の滝(毘沙門天の滝)
その名の通り、雨の後だけ姿を現す幻の滝。普段は水が流れていないため、出会えたら非常に幸運です。武運や勝負運の神・毘沙門天が祀られており、特別感のある滝です。
小滝(弁財天の滝)
神川公園内にあり、滝の裏側を歩くことができる貴重な滝。特に夏場は涼を求める観光客や子ども連れに人気です。弁財天は芸事・学問・金運の神として知られています。
神川大滝(恵比須の滝)
七滝の中でも最大規模で、轟音とともに流れ落ちる迫力満点の滝。間近まで近づけるため水飛沫を感じながら観賞できます。漁業や商売繁盛の神・恵比須が祀られ、地域のシンボル的存在です。
アクセスと巡り方のポイント
七滝はすべて車で数分圏内とアクセスが容易ですが、滝によっては離合困難な細い道を通る必要があります。運転には十分注意し、無理のない範囲で訪問しましょう。駐車場は多くの滝で整備されていますが、道路沿いから見える滝もあり、交通量も少ないため短時間の駐車も可能です。
この神川七滝伝説は、南大隅町の豊かな自然と地域信仰の歴史を体感できる絶好の観光コースです。どの七福神もとても可愛いので、すべての滝を巡って七福神のご利益をコンプリートしてみてはいかがでしょうか。
マップと情報
マップは神川大滝公園としていますが、どの滝も神川大滝公園から車で10分圏内程度の距離にあり、途中に看板等が出ています。googleマップで検索すると全ての滝が出てきます。
所在地 | 鹿児島県肝属郡錦江町神川近辺 |
駐車場 | 有り 無料 |