乙姫大明神として信仰された歴史
宮崎県日南市の港町・油津に鎮座する吾平津神社(あひらつじんじゃ)は、かつて乙姫大明神と呼ばれていました。御祭神は吾平津毘売命(あひらつひめのみこと)で、神武天皇の妃にあたると伝えられています。創建は和銅2年(709年)とされ、1300年以上の歴史を持つ古社です。神武天皇が東遷の際、吾平津毘売命はこの地に残り、夫の成功を祈願したと伝わり、その後は航海安全や交通安全、商売繁昌、諸願成就の神様として広く信仰されてきました。
油津の港町に残る乙姫伝説
油津は古くから漁業や交易で栄えた港町であり、吾平津神社が乙姫大明神として厚く信仰されたのも、海と関わりの深い地域性が影響しています。乙姫といえば竜宮伝説を連想させますが、吾平津神社に伝わる乙姫信仰は、神武天皇の妃に由来する特別なもの。地元では今でも「乙姫神社」と呼ぶ人も多く、古来からの信仰の厚さが感じられます。
境内の雰囲気と猫の存在
神社の境内はこじんまりとしていますが、長い歴史を持つ雰囲気が漂い、静かな時間を過ごせます。特徴的なのは境内に居着いている猫たちで、訪れる参拝者を和ませてくれる存在です。まるで神社のマスコットのように境内を歩き回り、地元の人々にも愛されています。御朱印には猫がデザインされたものもあり、猫好きにとっては特別な思い出になるでしょう。
御朱印と参拝の楽しみ

訪問時には置き御朱印のみの対応でしたが、デザインのバリエーションが豊富で、特に猫をあしらった御朱印は人気です。参拝の記念にいただくことで、旅の思い出をより深められるでしょう。
周辺の観光案内
吾平津神社の周辺・油津は、港町らしい雰囲気が残る歴史的なエリアです。大正ロマンを感じさせる建物や町並みが残っており、散策にもおすすめです。
- 油津赤レンガ館:古い倉庫を利用した観光施設で、油津の歴史を学べます。
- 油津港:港町の風情が漂い、新鮮な海の幸を味わえる食事処も多数。
- 飫肥城下町:日南市の中心部に残る歴史的な城下町で、吾平津神社とあわせて巡ると歴史散策が楽しめます。
まとめ
吾平津神社は、神武天皇の妃・吾平津毘売命を祀る歴史ある神社で、乙姫大明神としての信仰や猫が暮らす境内が印象的なスポットです。油津の港町らしい雰囲気の中で、歴史と伝説に触れながら静かに参拝することができます。御朱印や周辺の観光とあわせて訪れることで、宮崎・日南の魅力を存分に味わえるでしょう。
マップと情報
所在地 | 宮崎県日南市材木町9-10 |
駐車場 | 有り 無料 |
公式サイト | https://otohime-jinjya.com |