明治時代の趣が残る、現役の木造駅「嘉例川駅」

鹿児島県霧島市にある嘉例川(かれいがわ)駅は、まるで明治時代にタイムスリップしたかのような雰囲気に包まれた、築100年以上の木造駅舎です。
開業は1903年(明治36年)。鹿児島県内で現存する駅舎としては最も古い部類に入り、そのレトロな佇まいが鉄道ファンや観光客に人気を集めています。
驚くべきは、これほど歴史を感じさせる建物が、今でも実際に使われている現役の駅だということ。JR肥薩線の普通列車が停車し、静かな山間の町をつなぎ続けています。
春の嘉例川駅は「桜と電車」の絶景スポット
嘉例川駅が特におすすめなのは、春の桜の季節。
駅の周囲や線路沿いには多くの桜が植えられており、晴れた日には空と桜と駅舎が調和した絵画のような風景が広がります。
中には見事な枝垂れ桜もあり、ふんわりと垂れ下がる花びらが駅舎のレトロな木造建築と見事にマッチします。
電車と桜の「共演」を撮るならここ
この駅が人気なのは、桜が咲くだけではありません。
運が良ければ、桜の中を走る電車とのツーショットを撮ることができるのです。
そして嬉しいことに、運転士さんがサービス精神で少しスピードを落としてくれたり、汽笛を鳴らしてくれることもあるとか。
撮影スポットとして知られていることを意識してくださっているのが、また嬉しいポイントです。
駅弁も絶品!「百年の旅物語かれい川」は売り切れ必至
嘉例川駅を訪れたらぜひチェックしてほしいのが、**名物駅弁「百年の旅物語かれい川」**です。
この駅弁は、九州駅弁グランプリでグランプリを受賞したこともある有名な一品。地元の食材をふんだんに使った、昔懐かしくも丁寧な味わいが魅力です。
陶器風の風呂敷包みも特徴的で、記念やお土産にもぴったり。特に週末にはすぐに売り切れてしまうほどの人気なので、早めの時間帯を狙って訪れるのがベストです。
桜と電車の絶景に加えて、美味しい駅弁も楽しめる——まさに「旅情」を感じられる駅のひとときです。
鉄道ファン・写真好きの皆さんへ:マナーを忘れずに

ただし、人気の撮影スポットゆえに注意したいこともあります。
私が訪れた際には、列車の来ない時間帯とは言え線路内に入って撮影している方が見られました。
いくら良い写真を撮りたいとはいえ、線路内への立ち入りは非常に危険で違法行為でもあります。
鉄道が好きな人、桜が好きな人、写真が好きな人——すべての人が安心してこれからも楽しめる場所であるためにも、最低限のマナーは必ず守りましょう。
嘉例川駅で、春のひとときを
嘉例川駅は、電車の音と桜の花びらが織りなす春の風景を体感できる、鹿児島が誇る美しい駅です。
100年を超えてもなお現役の駅舎が見せる表情は、季節ごとに異なる魅力を放ちます。
鹿児島空港からも近いので、春の訪れを感じに、ぜひ一度足を運んでみてください。
歴史と自然に包まれるひとときが、きっと心に残る旅になるはずです。